麹と膵炎
麹と膵炎
この2つは深く関わりがあると思っています。
というより「麹」自体が体にとって優良なものなので食事制限をするしかない膵炎、機能性ディスペプシアに最適であるということなのですが。
何で「麹」が膵炎にとって最適かというと。答えはシンプル。
消化しやすくなるからです。
アミラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ
この3つの言葉聞いたことありませんか?急性膵炎を起こし入院した経験がある方はアミラーゼ、リパーゼは診断で使われるので覚えていると思います。
これらは消化酵素です。
アミラーゼはでんぷん質を分解、リパーゼは脂質を分解、プロテアーゼはたんぱく質を分解します。
急性膵炎発症時はアミラーゼ、リパーゼの数値が急激に上昇します。すい臓の機能がおかしくなり消化酵素を出しすぎるんですね。
すい臓の消化液は膵液と言って、とっても強い消化酵素で急性膵炎はこの膵液が過剰に排出されることですい臓自体を溶かしてしまうのです。
膵液恐るべし。。。
そして膵炎を発症した後の食事制限でも、量、脂質、アルコールが制限されます。
たくさんの食べ物がお腹の中に入ればそれだけ消化するために消化液が必要なので膵液もたくさん必要になるので再びすい臓を酷使してしまうからですね。
軽症であれば膵炎が完治すれば今まで通りの食事を摂れることもあるようですが、二度と膵炎の痛みを味わいたくない!
その思いで食事を管理されている方もおられるかと思います。
そんな方にオススメしたいのが「麹」です。
麹が事前に消化酵素を作ってくれる
食べ物を消化するために胃やすい臓は消化液を出します。消化液の量は食べるものによって大きく変わるんですね。
消化されにくい食べ物が身体に入ってくれば消化液をたくさん出し、消化されやすい食べ物であれば少量の消化液を出すだけでいいです。
つまり胃やすい臓、腸に負担をかけないようにするためには消化液をなるべく少ない量で留めること、省エネしてあげることです。
そのため膵炎患者の食事は消化されにくい脂質、繊維質を避け、消化されやすい食材を食べるようになります。
実際食事制限してみるとこれが結構大変なんですよね。
何せ膵炎患者の1食の脂質目安量は10gが以内ですから。脂質10gというと卵2つ食べてしまうとそれで脂質10gになってしまいます。
調理するときに油も使うので本当に脂質10g以下にすることは大変です。
この問題を解決してくれるのが「麹」です。
なんと「麹」にはリパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼなどの消化酵素が100種類以上含まれています。
なので食材を「麹に漬けておくだけで「麹」が食材を分解してくれるんです!
お肉を1日「麹」に漬けるだけで
リパーゼ | でんぷん質→ブドウ糖 |
アミラーゼ |
脂質→脂肪酸、グリセリン |
プロテアーゼ | たんぱく質→アミノ酸 |
に分解してくれます。胃やすい臓で行う工程を「麹」がしてくれるんです。
「麹」を使うということは消化器官をもう一つ手に入れるようなものだと思います。
既に分解されているから胃やすい臓に負担が少ない
本来、胃やすい臓が分解するはずのでんぷん質やたんぱく質、脂質が「麹」によって分解されているので、消化液も少ない量で済みます。
まさに省エネ。これで膵炎患者にとって天敵の脂質も消化されやすくなります。
膵炎を起こし慢性膵炎に移行せず、ただなんとなく食事制限をしている方には本当にオススメです。
同じ量の食事をしても普通のお肉を食べた場合と「麹」漬けしたお肉を食べたのでは消化のスピードがまるで違いますから!
まとめ
慢性膵炎など食事制限を徹底しないといけない方には参考になりにくいかもしれませんが、急性膵炎を経験した方、お腹が弱い、張りやすい方には「麹」はとても有効です。毎食の消化の手助けをしてくれます。